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健康診断で異常を指摘されたら

 健康診断を毎年受けても、結果をそのままにしていませんか?健康診断の目的の1つとして脳・心臓疾患の発症の防止、生活習慣病等の増悪を防止することが挙げられます。

 生活習慣病とは食事・運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣と強い結びつきがあり発症する疾患の総称です。具体的には三大死因(心疾患・脳血管疾患・がん)とその危険因子となる高血圧症、脂質異常症、動脈硬化、糖尿病が含まれます。

 令和3年度の健診異常を見てみると上位1位、2位は脂質異常 (33.0%)、血圧 (17.8%)であり、続く肝機能異常 (16.6%)の中の内訳でも生活習慣に関わる脂肪肝やアルコール性が含まれます1。これらはまさに脳・心臓疾患のリスクとなり、生活習慣病の誘引ないし、そのものになります。これらの健診異常を示す有所見者は58.7 %1と2人に1が当てはまる訳です。

 これらの異常の多くは初期には何の症状もなく何年も経過してしまう可能性があることです。しかし、私達の身体へのダメージは時間とともに蓄積されていきます。蓄積された血管・臓器への負担はある時に機能の一部を破綻させ、それが症状となるわけです。長い年月受けたダメージはすぐに取り除くことは難しく、改善するにも長い年月がかかります。そのため、無症状である早めに適切なフォローアップと治療介入が必要で、何より生活習慣の見直しが重要となります。健康診断での異常を指摘されたのなら、そのまま放置しないでください。

 本邦での平均寿命は年々伸びています。しかし、大事なのは健康寿命を伸ばすことではないでしょうか?健康的で日常生活の制限をできるだけ減らし、また既にある持病に関してはできるだけ上手に付き合えるよう一緒に考えていきましょう。簡単ではないケースもあると思いますが、日々の経過を一緒に二人三脚で歩んでいければと思います。

  1. 定期健康診断結果報告. 厚生労働省. Available from: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03092.html. Accessed August 23, 2023.

 

 

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